企業がエンドーサー(endorser)である有名アスリートと肖像権利用や商品化権の独占契約を結び、それを商品販売に反映させるために行われる。 　2017年には中国の乳製品メーカーであるイーリーと契約を結び、「牛乳を飲むと強くなり、プロになれる」と選手を通じて訴えた。 10年以上もスポンサー契約を結んでいる自動車メーカーのアウディは、この条件をクリアした企業の1社である。約7億人以上のスポーツファンが見込まれ、その多くがサッカーにも興味を持つと想定されるだけに、新規ファン獲得の余地はまだ多く残されている。

注1：選手個人に対する契約形態の1つ。契約チーム数をリーグ別にみると、プレミアリーグが最多7チーム。 そのために世界中の7億人以上のファンに対して、多言語コンテンツを毎日、15以上配信しているほどです」と自信を見せる。 レアルはサッカークラブとして初めてフェイスブックで1億人のフォロワーを獲得した。 3か月のプロモーションの結果は、52％の売上増として表れたが、同エリアのファン獲得にも着実につながっているはずである。

　同社のとあるCMでは、「パウダースノーでスキーをすると想像してみよう」「できないスキーができるかも」「物事を複雑に考えすぎていないかい」という選手同士の会話の後、雪上を滑らかに駆ける自動車の様子を映し出した。身長184センチ体重81キロという恵まれた体格で空中戦を制し、堅実なプレーが持ち味の選手。

バルセロナ入団以降、度々その才能に懐疑的な見方が広がるも、重圧を跳ね除け自身のプレーに集中し、着実な成長を遂げたネイマール選手。 　レアルも自身の価値を認識しており、それゆえにパートナー選びには慎重だ。 　サッカーどころ静岡出身ということで、幼い頃からサッカーが近くにあり、地元ジュビロ磐田の応援に家族とスタジアムへ通っていたほど。 　そんなレアルでは、フォロワーの増加がパートナーを呼び寄せ、そこでの多様なチームの露出がさらにフォロワーを増加させるという好循環を生んでいるという。

　レアルはパートナーによる広告を、前述の好循環を生むための策としてもとらえており、その観点から特にインドや中国など膨大な人口を抱え、インターネット環境も急速に整備されているアジア地域でのパートナーに期待を寄せているという。 フォロワーの典型的なプロフィールは38歳でアッパークラスの男性だが、この層をターゲットとする企業にとって、レアルを広告塔とする意義は決して小さくない。 「これはエンドースメント（注1）の良い意味での典型例です。